バイオマトリックス研究所
研究員(博士(学術))
岩崎優
ニッピの研究者たちが取り組む
基礎研究の積み重ねと高度な分析が、
「コラーゲンペプチド」の可能性を切り拓く。
「コラーゲンペプチド」の機能を解き明かす。
ニッピのバイオマトリックス研究所では、コラーゲンに関する基礎研究に日々取り組んでいる。そこから生まれる論文には、大学や企業の研究者からも注目が集まっている。「コラーゲンの摂取がなぜ人体に良い効果を与えるのか」という問いに対するエビデンスも、「コラーゲンペプチド」の機能性を追究する研究で解明に近づいている。その最前線を紹介する。
ニッピのモノづくりは、
ここから始まる。
ニッピのバイオマトリックス研究所では、その名のとおり、生物(バイオ)の細胞外基質(マトリックス)の主な成分であるコラーゲンを研究している。20名の研究者が基礎研究を積み重ねながら、素材としてのコラーゲンの効果とエビデンスの解明に取り組み、その応用の道を切り拓いている場だ。入社2年目の岩崎優がニッピを選んだのは、その基礎研究に真摯に向き合う姿勢に、研究者として歩む道を見出したからだと言う。「ここには大学の研究施設にもない大型の質量分析装置もあります。多くの先輩が長年にわたり基礎研究を重ね、ニッピの事業を支える根幹とも言えるコラーゲンに向き合い、知見を磨き続けてきました。この歴史の中に身を置き、自分も磨き手のひとりとなることで、研究者としての成長が叶うと確信しています」(岩崎)
岩崎が所属するチームのリーダーである多賀祐喜は、「基礎研究という学問的な視点と、商品の素材となり得るコラーゲンの機能性の探究を結びつけるのは、個々人の発想や意欲です。地道な研究が実際の開発につながることにやりがいを感じています」と語る。ニッピの社風であるモノづくりへの意欲は、研究所にも息づいている。
コラーゲンペプチドの
機能解明から応用へ。
コラーゲンの経口摂取によって得られる身体的な効果は、ヒト臨床試験で立証されている。しかし「何が、どの程度、どのように影響している」かについては、いまだ経験知の域にとどまっている部分も多い。実験と分析を重ね、その効果を裏付けるエビデンスとなる数値を見出すことが、大きな研究テーマのひとつだ。研究所のベテランのひとり、楠畑雅は「オリゴペプチドの機能を解明することで、コラーゲンペプチドの応用が広がる」と、研究目的を説明する。「経口摂取されたタンパク質はアミノ酸に分解されます。かつては、コラーゲンも同様にすべてアミノ酸となると考えられていました。しかし、コラーゲンは、すべてがアミノ酸になるわけではなく、一部はアミノ酸が2~3個つながったオリゴペプチドとして吸収されることが京都大・佐藤健司先生(当時京都府立大)らのグループによって報告されました。私たちは、経口摂取後に体内で検出されるオリゴペプチドの働きを分析・研究することで、コラーゲンペプチド機能性の解明に取り組んでいるのです」(楠畑)
「コラーゲンペプチド」は、ゼラチンのように冷やすと固まることはなく水にすぐ溶け、食品の原料として使い勝手がよい性質を持つ。ニッピの高度な製造技術によって、無味無臭で高品質なコラーゲンペプチド原料の提供が可能となっている。さらに、その機能・効果がエビデンスによって明確になれば、コラーゲンペプチドの応用は、より幅広い分野へと広がっていく。
ニッピの研究に
学術界も注目している。
研究員たちは、自らの研究テーマに日々取り組む中で、社会との関わりを常に実感している。ニッピの基礎研究は、大学や企業の研究者からも高く評価され、交流や共同研究が拡大しているのだ。「基礎研究の結果が世の中の製品に結びつくまでには、時間も手間もかかり、多くの段階を踏むことになります。長い道のりの端にいるようなものです。けれども、日々の発見を学会や論文で発表すると、大学の研究者から声をかけられ、意見を交換することもあり、刺激になります。大学と当研究所の得意分野を生かし、共同研究に進むケースもあります。研究段階でも、さまざまな展開があるのです」(多賀)
「高性能な質量分析装置はありますが、それをどう使い、何を解明するかは、研究者の発想次第です。分析の難しい成分を、サンプルの処理方法や、装置の設定などによっていかに測定可能にするか。そうした分析技術の開発こそが腕の見せどころです。そして、私たちが導き出したデータから、他の研究者が新たな応用を見出すこともあります。その世界の広がり方には、すごくおもしろさを感じています」(岩崎)
「私は営業と一緒に他の企業を回り、研究成果や可能性をお伝えしています。その先にBtoBの事業化を目指しているわけですが、エンドユーザーに届ける製品開発への熱意に触れることができ、それが大きなやりがいとなっています。その熱を研究所に持ち帰ることの大切さも、日々実感しています」(楠畑)
生活の質(QOL)に
着目した研究の広がり。
「コラーゲンペプチド」の機能の解明は、これまでとは異なるニッピの事業領域の広がりへとつながり始めている。バイオマトリックス研究所では、「コラーゲンペプチド」の機能に関するエビデンスの確立にも取り組んでいる。最新の論文発表は「コラーゲンペプチドの継続摂取は疲労感を軽減する」というもので、国際的な専門誌であるJournal of Dietary Supplementsに公開されている。※論文出典記載はプレスを参照
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000083625.html
「この研究では、コラーゲンペプチドの摂取が、日常生活における疲労感を軽減し、活力感の維持に寄与することが確認できました。また、アンケート調査では『一晩寝ても疲れがとれない』と回答する方が減少しており、睡眠の質向上にも寄与できると考えています。つまり、コラーゲンペプチドを長期摂取することで、日常生活の疲労をためず、活力感を改善し、QOLの向上と維持が期待できるのです」(楠畑)
コラーゲンペプチドの機能性に求められるエビデンスには、「人への効果」を示すという高いハードルがある。また、「たとえ思わしい結果でなくても、すべてを公開しなければならない。それがニッピの研究と製品開発への信頼のエビデンスになる」ためだ。研究者たちは、日々そのプレッシャーに向き合いながらも、苦労を語る表情は明るい。その先に、理解と共感があることを確信しているからだ。
楠畑雅/バイオマトリックス研究所研究員。
長年コラーゲンペプチドの開発に取り組み、さまざまな分野での活用を伝えるために奔走している。
多賀祐喜/バイオマトリックス研究所研究員(博士(農学))。
コラーゲンの研究を通じて、機能性について探求。経口摂取による人体への吸収と影響について、より高精度な解析を進めている。
岩崎優/バイオマトリックス研究所研究員(博士(学術))。
食品としてのコラーゲンの機能について基礎研究を重ねている。コラーゲンの原料をどの動物から得られるかも模索する。

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