バイオ・ケミカル事業部
営業部担当課長
山川真史
新たに発見したペット向けの効果・効能を
簡潔にわかりやすく伝えることで、
世界中の犬や猫の幸せを支える。
知人のひと言から
始まったペット向け事業。
「足が弱っていた愛犬にコラーゲンを与えたら立つことができるようになった」――。ペット用コラーゲン事業を始めたきっかけは、当時の社長、伊藤隆男(現相談役)が知人から聞いたこのひと言だった。ペット向けならではの効果や価値の発見につながった研究、そして簡潔さやわかりやすさが求められる営業活動など、研究から営業までの幅広い業務を紐解く。
孤軍奮闘。多様な業務に
明け暮れる日々。
ヒト用コラーゲンのペット転用に動き出したのは2009年のこと。その背景には、当時ニッピがミッションとして掲げていた「BtoCの推進」があった。ニッピは原料販売を主としてきたため、取引先の最終商品が終売になると、原料が不良在庫として残ってしまう場合がある。そこで、最終製品としてお客様に直接価値を届けられる事業に取り組み、新たな可能性を広げようとした。バイオ・ケミカル事業部営業部(当時プロテインエンジニアリング室)の山川真史がペット用コラーゲン事業に参画したのは事業が本格的に始動した2012年。「当然、売上ゼロからのスタートでしたので人材も確保できません。たった1人ですべての業務をこなす多忙な日々を過ごしました。研究開発、製造、営業などやるべきことがたくさんあり、とても大変でしたが、その分、自由に取り組ませてもらえました」と山川は語る。そもそもニッピにはBtoCの商品が少なく、さらに新たに挑戦するペット分野ということで、社内に専門的な相談ができる相手もいなかった。「そこで、研究所を通じてペットショップのオーナーや専門の先生を紹介してもらい、各所に出向いて多くの知識を身につけていこうと考えたんです」
研究により発見した
ペットへの明確な効果。
さまざまなツテをたどる中で出会ったのが、某ペットショップの有名バイヤーだった。本格的な販売開始前にデモ品を持参し商品の説明を行ったものの「良さが全然わからない」と一喝された。続けて「コラーゲンはタンパク質なんだから、必須アミノ酸など教科書に載っているような切り口で説明できないか」とヒントを与えられた。そこから必須アミノ酸、非必須アミノ酸に着目し、研究所と連携して犬猫が摂取する食事の栄養価を分析することに。「本来の犬猫の食事って何だろう? 肉食だから、動物を一匹丸ごと食べた場合のタンパク質に含まれるアミノ酸の組成について研究所で調べてみようと。その組成と比較すると、市販のドッグフードでは非必須アミノ酸が格段に不足していることがわかったんです」
この結果を踏まえて、アミノ酸に焦点を当てた製品説明につくり直した。「コラーゲンは成分の75%以上が非必須アミノ酸で構成されている」という特性を前面に打ち出しながら、営業活動に磨きをかけていった。
現在のペットフードには必須アミノ酸の配合基準は設けられているものの、体内で合成できる非必須アミノ酸の配合基準は定められていない。これが非必須アミノ酸不足を招く要因だと考えられる。「コラーゲンを摂取すれば不足しがちな非必須アミノ酸を補うことができ、ペットの健康に不可欠なタンパク質を多くつくる助けになります。それが、この商品の大きな価値になっています」
営業に説得力が増し、顧客の購買欲もアップ。
犬猫がタンパク質をつくるためには、食物から摂取する10種の必須アミノ酸と、体内で合成する10種の非必須アミノ酸、合わせて20種類のアミノ酸が必要となる。この仕組みをわかりやすく伝えるために山川が用いたのが「桶の理論」だ。「20のアミノ酸を桶の板に例え、どれかひとつでも欠けていると十分なタンパク質が合成されずに流れ出てしまう。そう説明するために、自作した桶型の模型を使っています。こうした模型のような小道具があると興味を持って聞いてくれる方が多いんです」
桶の理論を使えば短時間で簡潔に要点を伝えられるため、忙しくて時間がとりづらい獣医師にも話を聞いてもらえるようになった。
発売当初は、同じ成分でつくられているヒト用コラーゲンと同様の説明をしていたが、研究によってペット用ならではのストーリーを作り出せたことで説明に説得力が生まれ、顧客の購買欲を刺激する営業スタイルへと進化した。
「人は日々さまざまな食品を摂るため栄養バランスが大きく崩れることはあまりありませんが、ペットは決まったフードしか食べないので栄養が偏りやすい。だからこそ気付いたこと、見えてきたものがたくさんありました」
海外まで
販路拡大をめざしたい。
現在、ペット用コラーゲン事業は着実に売上を伸ばしている。その要因は「地道な営業活動を通じて商品の良さを広く知ってもらえたこと」と山川は語る。ペットショップチェーンがコラーゲンの良さに気づいて、販売してくれるようになったことも大きな追い風となった。「ブリーダーから迎えた犬猫の調子があまり良くなくても、コラーゲンを与えると元気になるということを実感してもらっています。あるペットショップチェーンでは、昨年からペットと一緒にお勧めし、販売してくれるようになりました」
多くのペットショップやブリーダーに広げるため、各地で行われるドッグショーにも出展し、先に述べた営業手法を用いながら商品説明を通じて興味を持ってもらう取り組みを行ってきた。
「ニッピのコラーゲンは他のものと違う、と思ってもらえるようにしっかりと商品の特徴をお伝えし、理解した上で使ってもらう、ということに力を入れています。そんなサプリはこれまでになかったと思いますから」
10年以上にわたりペット用コラーゲン事業に携わってきた山川の今後の目標とは。
「海外も視野に入れ、世界中の犬猫にも幸せになってもらいたいと考えています。将来的にはコラーゲン入りのペットフードをつくってみたいです。コラーゲンを添加すると価格が一般的な製品の2~3倍ほどになるので販売は難しいと思いますが、それでも一度は挑戦してみたい。それが私の密かな夢です」
山川真史/バイオ・ケミカル事業部営業部担当課長。
ゼラチン事業部の富士工場で現場を1年経験し、ゼラチンの営業に配属。2012年末からペット事業専属に。
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